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「引越しの梱包ってどこまでやってくれるの？？」
「忙しいから手間は少なくしたい！」
というあなたへ。
こんにちは！大手引越し屋に15年勤めているサトシです。私がこれまで関わった引越しの中で、特に共働き世帯のお客様から多く聞かれるのが「引越し梱包サービスはどこまでやってもらえるの？」という疑問の声ですね。高額なフルサービス（おまかせパック）を選んでも、料金と作業範囲がわかりにくいという不安を抱えている方は多いんじゃないかなと思います。
特に、荷解きと収納の分け目、運んでもらえない貴重品の扱い、不用品回収のかかるお金や、万が一の補償制度など、確認すべきことは山積みです。今回は、私が現場で見てきた経験を元に、どこまでやってくれるのかを解説していきます！
このページでわかること
- どこまで梱包してくれるか
- フルサービスで「開梱」はOKでも「収納」が別料金になる理由
- 現金や通帳など引越し業者が絶対に運べない貴重品の鉄則
- 不用品回収を業者に依頼した際の費用相場と家電リサイクル法の注意点
- 壁や荷物の破損事故に備えるための業者の補償とお客様の確認期限
サービスの範囲と種類はどこまで？
忙しい共働き世帯に人気の「フルサービス」から、費用を抑えるプランまで、それぞれの違いとメリットを解説します。
サービスの種類とメリット
| サービス名 | 概要（作業範囲） | メリット |
| フルサービス | 荷造り（すべて）と荷解き（すべて）を行います。 | 時間ゼロで新生活をスタートできます。 |
| ハーフサービス | 荷造り（すべて） + 荷解き（指定の場所・部屋のみ）を行います。 | 荷造りからの解放と、必須アイテムだけはすぐ使える状態になります。 |
| 荷造りサービス | 荷造りのみ（すべて）を行います。 | 帰宅後の作業がなくなり、新居での荷解き作業に集中できます。 |
| 荷解きサービス | 荷解きのみ（すべてまたは指定の部屋）を行います。 | 開梱作業からの解放。荷物が多い世帯に最適です。 |
時間と手間を最大限に節約したいなら、迷わずフルサービス（おまかせパック）を選ぶべき。
フルサービスは荷造り（すべて）と新居での荷解き（すべて）を業者が行ってくれるので、引越し作業に時間を割くことなく、すぐに新生活を始められるからです。このサービスは「時間を買う」ためなので、その分料金は高くなりますが、忙しい共働き世帯にとって最大のメリットがありますね。
対して、荷造りサービスは荷造りのみ、荷解きサービスは荷解きのみを依頼する部分的なサービスです。例えば、荷造りだけを頼めば、帰宅後の旧居での作業がなくなり、新居の片付けに集中できますね。費用を抑えたいなら、全て自分でやる基本プランもあります。
引越し各社で多少サービスや名前は違いますが、自分に合ったプランで引越しを頼みましょう♪
具体的にどこまでやってくれる？
梱包はどこまで丁寧に？家具の解体は？そして一番の疑問「荷解きと収納の境界線」について、現場の視点から詳しくお伝えします。
今回は忙しい人むけに書いているのでフルサービスでの解説をしていきます！
小物・食器・衣類の梱包
フルサービスを選んだ場合、衣類や食器、小物などはプロの技術で安全に梱包してもらえます。
お客さんの大切な家財を運送中に破損させないよう、業者側が用意した緩衝材（プチプチなど）や専用資材を使って、細心の注意を払って箱詰めされます。例えば、デリケートな食器類は一点ずつ丁寧に包まれ、衣類はハンガーボックスを使ってシワにならないように運びます。
梱包資材の調達や、割れ物をどう包むかといった悩みからも解放されるのは大きなメリットですよね♪
家具の解体・組立
大型のベッドや棚など、運搬のために解体が必要な家具は、基本的に業者が分解・組立まで行います。（ただし会社によって違いあり）
これは、大型荷物を安全かつ効率的に運び出し、新居ですぐに使える状態に戻すことが、引越しサービスの範疇に含まれているからです。ただし、特殊な構造の輸入家具や、IKEAなどの組み立て家具の一部は、オプション対応や作業対象外となるケースもあるので注意が必要です。
基本的には、解体・組立は業者に任せられますが、念のため特殊な家具がある場合は、見積もり時に「このベッドの分解・組立は含まれますか？」と個別確認しておくと安心です。
引越し後の荷解きは自分
フルサービスでも、引越し後は、自分で荷解き。
これは、業者が行う「荷解き」作業が、ダンボールから中身を取り出し、指定の台や床の上に広げる開梱作業までを指すからです。お客様の私物である衣類や食器を、どの棚のどこに、どう並べるかという整理整頓の作業は、お客様ごとのこだわりがあり、業者が勝手に行うことができない領域だと考えられているからなんです。
【注意】「収納」は追加の費用がかかる別サービス
出したものを棚の中に入れるなどの「収納」作業は、一般的に「高級サービス」やオプションで、依頼する場合は別途高額な追加費用が発生することが多いです。フルサービス＝完璧な収納まで、と期待しないよう注意が必要です。
したがって、引越し完了後すぐに生活を始めたい場合は、収納作業が別料金になることを事前に理解し、必要ならオプションを検討、くらいに覚えておいてください。
不用品の回収
引越し作業で出た不用品（ゴミ）や、作業後に残ったダンボールなどの資材回収は、事前に確認しないとやってもらえない可能性があります。
なぜなら、不用品回収（古い家具や家電など）は運送とは別の追加サービスであり、資材回収のタイミングも業者によって異なるからです。例えば、引越し業者は不用品回収に対応していることが多いですが、これは別途料金が発生するサービスです。また、梱包資材（ダンボールや緩衝材）の回収についても、引越し当日なのか、後日なのかを確認しておく必要があります。
手間を省くために業者に不用品回収を依頼することは非常に便利ですが、必ず見積もり時に回収可能な品目と、それぞれの料金を確認し、契約書に明記してもらいましょう。
費用と見積もりに関する疑問
サービスを頼むと料金はいくら上がる？訪問見積もりは本当に必要？お金に関わる疑問点をクリアにしておきましょう。
料金について
荷造りや荷解きを業者に任せるフルサービスを選ぶと、数万円から十数万円の追加費用がかかるのが一般的です。
これは、作業スタッフの人数が増え、作業時間が大幅に増えるため、純粋な人件費として費用が上乗せされるからです。例えば、単身引越しでもフルサービスを選ぶと、基本料金に加えて、通常期で8万円から20万円程度が目安となります。特に3月下旬〜4月上旬の繁忙期は、料金がさらに高くなる傾向があります。
フルサービスは高い便利さと引き換えに費用が増えますが、引越し料金は荷物量、移動距離、時期によって大きく変わるので、必ず複数の業者で見積もりを取りましょう。
訪問見積もりはした方がいい？
引越し作業をスムーズに進め、追加費用などの問題を避けるためには、訪問見積もりを受けることをおすすめします。
訪問見積もりは、荷物の量や種類だけでなく、搬出入経路やトラックの駐車場所などの問題点を事前に確認する大切な手続きだからです。オンラインや電話での概算見積もりだけだと、当日になって「荷物が多すぎて載らない」「道が狭くてトラックが入らない」といったトラブルが起きるリスクが高まります。
特に荷物が多いファミリー引越しや、大きな特殊な荷物がある場合は、訪問見積もりが不可欠です。少し面倒でも、当日困らないためにも、訪問見積もりで正確な情報を業者と共有しておきましょう。
サービスを一部だけ依頼できるのか
特定の部屋や特定の荷物だけを業者に依頼する部分的な梱包は可能です。
多くの引越し業者が、お客様のニーズに合わせて、「キッチンの食器だけ」「本棚の書籍だけ」といった、限定的な梱包オプションがあります。これは、忙しいお客さんが自分でやりたくない、または時間のかかる作業だけをピンポイントで依頼できるようにするためです。例えば、自分でやると破損が心配な食器類だけをプロに任せる、といった使い方ができますね。
このように、フルサービスでなくても、お客様の負担が大きい作業だけを業者に依頼できるので、見積もり時に「この部屋だけお願いしたい」と具体的に相談してみましょう。
サービス利用時の準備は何が必要？
業者に任せきりにする前に、お客様自身が必ずやっておくべき「3つの準備」があります。当日慌てないための大切なポイントです。
貴重品は自分で管理
現金や通帳などの貴重品は、必ずお客様自身で管理し、荷物には入れないでください。
これは、国の定めた運送のルール（標準引越運送約款）で、現金や有価証券、貴金属などの貴重品は、引越し業者が運送できない品目と決められているからです。もし貴重品を荷物に入れて紛失や盗難が起きても、原則として補償してもらえません。業者の責任範囲外であるため、ご自身でしっかり管理することが絶対条件です。具体的には、手持ちのカバンなどにまとめて入れ、引越し中も常に持ち歩くようにしましょう。
【鉄則】貴重品は手荷物として常に携行
現金、通帳、キャッシュカード、保険証、マイナンバーカードなどの貴重品は、業者に触らせず、必ずご自身の手荷物として管理してください。
フルサービスであっても、この貴重品の自己管理はお客様の義務なので、引越し前に必ず分けておくようにしましょう。
不用品の仕分けについて
梱包作業が始まる前に、「いるもの」と「いらないもの」の仕分けを完了させておく必要があります。
梱包スタッフは、お客様の荷物を見て「これは処分する品だ」という判断ができないからです。この仕分けができていないと、業者の作業が途中で止まってしまったり、本来捨てるはずだった不用品まで新居に運んでしまうといったミスにつながります。新居で「ゴミ」を開梱する手間は避けたいですよね。
ですから、引越し前に、古い衣類や使わない雑貨などは思い切って処分するか、「これは運ばないで」という明確な区分けを済ませておきましょう。これが、フルサービスを効率的に活用するための大切な事前準備です。
当日の指示だしも一応知っておこう
作業を始める前に、スタッフへ具体的な指示出しを行うことで、作業のミスや手戻りを大幅に減らせます。
荷物が多いフルサービスの場合、スタッフは全ての荷物の中身を把握できません。そのため、「このダンボールは新居の寝室へ」「これは壊れやすいものが入っているから慎重に」といった簡単な指示を、作業開始時に口頭で伝えるか、荷物や部屋にわかりやすくラベリングをしておくことが大切です。これにより、スタッフは迷うことなく、効率的かつ正確に作業を進められます。
引越し屋勤務で１番びっくりしたのが上の画像のような図面をダンボールに貼っていたお客様です。白黒でいいので新居の間取りを部屋の枚数分印刷して、あとはその紙に「矢印でこの部屋に運んで」と書いておいて、それをダンボールに貼り付ける、これをしているだけで口頭で伝えなくてもいい、という対策をしていた人がいたんです。これめっちゃ楽だったそうです。
もちろんこれは強制では全くないです。ですが配達員も間違うことがないので結果的には自分が楽になるのでおすすめです♪
補償とトラブル対応
万が一、大切な家具や新居の壁に傷がついたらどうなる？補償を受けるために、契約前に確認すべきことをまとめました。
破損時の補償は？
引越し作業中に荷物や建物が破損した場合、業者の過失であれば、運送業者が加入している保険で対応してもらえます。
引越し業者は通常、運送業者貨物賠償責任保険という保険に加入していて、引越し作業中の過失による物損事故が生じた場合、この保険で補償が行われるからです。補償の基本は、原則として修理などで元通りに直すこと（現状復旧）になります。
ただし、補償を受けるためには、傷や破損を発見したらすぐ（目安として2週間以内）に業者へ連絡することが極めて重要です。時間が経つと、その傷が引越し作業でついたものかどうかの証明が難しくなるからです。また、契約時に適切な養生（壁などを保護すること）を行うか確認しておくと、事故自体を避けやすくなります。
【重要】傷の通知は「2週間以内」が目安
引越し終了後、新居の壁や床、荷物の確認を速やかに行い、傷を発見した場合は直ちに業者に通知することが、補償を受けるための大切なルール。
業者の選定時には、価格だけでなく、万が一のトラブル対応がしっかりしているか（全日本トラック協会の「引越安心マーク」など）も確認しておくと安心ですね。
まとめ
引越し業者に見積もりを依頼する際は、以下の3点を具体的に伝え、料金とサービス内容を確認しましょう。
- 「フルサービスで、旧居の梱包と新居の荷解き（ダンボールから出すところまで）を希望」
- 「貴重品以外、手を触れずに引越しを終えたい」
- 「作業後に、全てのダンボールとゴミを回収してほしい」
フルサービスは忙しい共働き世帯の強い味方ですが、その境界線を理解しておくことが、引越しを成功させるカギ。このページで紹介した費用相場はあくまで一般的な目安です。正確なサービス範囲や料金については、必ず各引越し業者の公式サイトをご確認ください。忙しいとは思いますが、引越しがすんなり終わるよう願っています♪ではでは！
